インフルエンザ †
流行状況 †
‐季節性インフルエンザは、A型がほぼ毎年、B型はほぼ隔年で流行していた。
症状 †
- インフルエンザは、かぜ症候群の一つで、全身症状や高熱を伴う点が普通感冒との違いとされてきた。
- 断基準は、4つの基準をすべて満たすもの
①突然の発症、②38℃を超える発熱、③上気道症状、④全身倦怠感等の全身症状
合併症 †
- 合併症として、小児の脳炎・脳症、高年齢者の肺炎がよく知られている。
中耳炎、筋炎、心筋炎などもある。
診断 †
- 確定診断:インフルエンザの確定診断は、ウイルス分離、血清学的診断、核酸検出(PCR)などがある。
- 迅速診断:イムノクロマト法を用いた迅速抗原検出キットは、特別な器具がいらない診察室でも実施可能な診断法である。年々感度・特異度ともに向上している。
- 発症早期で、迅速診断陰性でも、半日~1日後に陽性化することもある。
ワクチン †
- 接種不適当者:「明らかな発熱(通常37.5℃を超える場合)を呈する者、重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者、予防接種液の成分によってショック、アナフィラキシーを呈した事が明らかな者、その他予防接種を行うことが不適当な状態にある者」
- ワクチンの効果:接種群の方が非接種群よりインフルエンザ発生率が低く、効果が認められている。
ウイルスの動態と感染予防 †
- インフルエンザはウイルスが気道粘膜に感染したあと増殖を繰り返し、およそ24時間の潜伏期間を経て発症する。
増殖したウイルスは、咳、くしゃみ、鼻汁により空気中に排泄された直接感染源となる。さらに、排泄されたウイルスから水分が失われた飛沫核も、乾燥した冷たい空気中を浮遊し感染源となる。
- 感染予防には、ウイルスや飛沫核の気道侵入を防ぐため、
①ウイルス対応のマスク使用、②室内の加湿加温、③空気の入れ替え、④環境整備、⑤う
がいも咽頭粘膜洗浄化により局所の感染防御機構を保ち有効、⑤ワクチンが予防に有効⑥接触感染も考えられる為手洗いの施行も必要である。
- インフルエンザ罹患者の1/3がなんらかの形で家庭感染にかかわり、特に小児が家庭内感染源となり、多くの母親が家庭内感染を受ける事が明らかとなった。
新型、A H1N1インフルエンザとは †
流行の経過〕 †
発生経過と発生状況 †
- 発生経過
2009年
2月下旬:メキシコ東部ペラクルス州ラ・グロリア疾患が出現した。
3月30日:米国カリフォルニア州、サンデイエゴの10歳の少年が発症
4月26日:カナダに感染者
4月27日:スペイン.イギリスに感染者
5月 9日:日本国内で高校生3人、教師が1人がカナダで感染
5月16日:神戸市の高校生が集団感染
5月26日:世界46ヶ国、感染者1万2954人
6月11日:世界中に感染拡大、WHOがフェーズ6を宣言
日本では
5月 9日:日本国内で高校生3人、教師が1人がカナダで感染
5月16日:神戸市の高校生が集団感染
7月末 :5000人を超えた
9月以降 :東京、神奈川、愛知、大阪などの大都市圏や北海道を中心に流行が拡大した
11月 :患者報告数16万9095人
症状と合併症 †
- 発熱、咳、鼻汁、咽頭痛、頭痛、倦怠感、筋肉痛の順
- 新型は、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器主情が季節より多い。