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アデノウイルス感染症

アデノウイルスは、直径70~100nm、正20面の中型のDNAウイルス。
呼吸器系のウイルスの一つであり、飛沫感染、接触感染、糞口感染も問題となる。

症状・疾患

1咽頭炎

  咽頭炎は、発赤も強く、滲出性扁桃炎および咽頭後壁のリンパ濾胞が赤く腫脹する。
  発熱は、必発。乳幼児に多い。1.2.3.5型によるものが多く、頻度では、3型が多い。

2肺炎

  急性肺炎の数%は、アデノウイルスによる。3.7.21型によるものでは、致命的な事がある。

3咽頭結膜炎 pharyngoconjunctival fever (PCF)

  +5日間続く高熱(38~40度近い高熱)と惨出性咽頭炎(のどの腫れ・痛み)と結膜炎(眼脂、充血)の典型的PCF。
  +3型が圧倒的に多い。別名プール熱で、アデノウイルス感染症の代表的な病像。
  +鼻汁を認める事が多いが、咳嗽は、軽度。

4流行性結膜熱 epidaemic keratoconjunctivis (EKC)

   濾胞性結膜炎や角結膜炎を呈する。
   3.4.8.19および37型による。8.37型が多い。次に3型。

5胃腸炎

  発熱、腹痛、嘔吐、下痢を伴う。乳幼児に多い。   40.41型が多い。

6急性出血性膀胱炎

  肉眼的血尿、排尿時痛が主要症状。発熱は認めない。   11型が多い。

7発疹

  発疹を認める事がある。形は、麻疹様または風疹様。   1.2.3.4.7型が多い。

予防

  アデノウイルスは、56度30分の加熱で失活する。次亜塩素酸ソーダは、有効。

流行性結膜熱 epidaemic keratoconjunctivis (EKC)

定義 

 従来は、流行性結膜炎epidaemic keratoconjunctivis (EKC)俗に「はやり目」と咽頭結膜炎pharyngoconjunctival fever (PCF)は、別の疾患と考えられてきた。  しかしいずれも、アデノウイルスによる感染症で、EKCが主として、8、19、37型のD亜属、PCFが3、7、11型などを主としたB亜属による特徴がある。  現在は、両者を合わせて、アデノウイルス結膜炎と言う。

症状

典型的な流行性結膜炎(EKC)は、

 +①急性濾胞性結膜炎、
 +②角膜上皮下混濁

 +③耳下腺腫脹    結膜症状は、急性濾胞性結膜炎で、流涙、羞明、異物感を訴え、粘調え半透明の眼脂を分泌する。眼瞼は、浮腫状で粘膜に濾胞を生じる。耳前リンパ腺腫脹と圧痛をみる。眼症状は、両側性が見られる事が多い    自然治癒傾向をもち、結膜炎は2~3週間で消褪するが、多くの例で発症後、約1週間頃に点状表層角膜症を併発する。

予防

   伝染力が強いので、患者のて指、タオルから家族内感染し、医療従事者の手指や診療器具などを介して院内感染を起こしやすいなので、手指、・器具の消毒を厳重にしなければならない。    消毒には煮沸による滅菌がよいが、煮沸に不適用な材質のものは、60度C10分間の加熱、75%アルコールがすすめられる。手指の消毒には、石鹸やヨード剤とブラシを用いて流水でよく洗う事が実もう面でよい。    プールは、厳禁とする。

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咽頭結膜炎 pharyngoconjunctival fever (PCF)

症状

 +別名プール熱と呼ばれ、①結膜炎、②咽頭痛、③発熱を三主徴とする疾患。  +5~7日の潜伏期を経て、急性濾胞性結膜症を発症する。39~40℃の発熱と咽頭炎の症状をみる。

 +耳前リンパ腺が腫脹するが、点状表層角膜症の併発は少なくない。
 +結膜炎は自然治癒傾向を持ち、約10日で消失する。

原因

アデノウイルス3、4、7型などである。

  小児に好発する。

診断

  +発症年齢、咽頭炎、全身症状や流行性の有無は、診断の参考となる。   +診断は。ウイルス学的検査。   +患者の鼻汁、唾液、喀痰、糞便などからウイルスを分離し抗原の検出。   +ラッテクス凝集(LA)反応や酵素抗体(ELISA)法での抗原検出キットで迅速診断する。

予防

  感染は、飛沫感染・接触感染である。

  +a)飛沫感染対策

  ・飛沫の届く範囲内は成人で2m程度ですので、保育施設の子ども達が2m以上離れていれば感染が起こりませんが、現実問題難しい。   ・もっとも期待できるのは、咳エチケット。

  +b)接触感染対策

  ・接触感染対策の基本の対策は、「手洗い」などの手指衛生が大事。その為、全ての職員が正しい手洗いの方法を見につける。   ・タオルの共用は絶対にしてはいけない。    石鹸は、固形より液体が推奨される。    ペーパータオルを使用する事が理想的。(費用の問題があるが)

消毒

  +消毒剤は、適切な「消毒剤」を使って、嘔吐物や下痢便などの発病者由来体液が付 着していた箇所や、発病者が直接触った物を中心に行う。

   +具体的には、消毒には煮沸による滅菌がよいが、煮沸に不適用な材質のものは、60℃10分間の加熱、75%アルコールがすすめられる。手指の消毒には、石鹸やヨード在とブラシを用いて流水でよく洗う事が実もう面でよい。

登園基準

  +学校伝染病の第2種に指定されている。   +発熱・咽頭発赤・目の充血が消失してから2日を経過後登園可能。   +プールを一時的に閉鎖することがある。

予防

  +予防は、流行性結膜炎に準じる。

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