花粉症は、花粉によるⅠ型アレルギーで主症状は鼻と眼に現れる。花粉の飛ぶ季節にだけ症状が現れる。日本では花粉症といえば「スギ花粉症」で、スギが代表的な植物としてあげられている。
他に、風媒花植物が主体の花粉症が多くある。
春 | 樹木花粉:スギ、ヒノキ、サワラ、ハンノキ、シラカバなど。 |
夏 | イネ科草本花粉(grass):スズメテッポウ、カモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤなど |
秋 | 雑草本花粉(weed):ブタクサ、クワモドキ、ヨモギ、カナモグラなどが花粉症を起こす。 |
くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、眼のかゆみが花粉症の4代症状と言われている。
花粉の測定は一般にDurham捕集器が使われる。ワセリン塗布スライドグラスを遮断のない高所におき、グラスに自然に落下する花粉数を染色後カウントする。
1cm2あたりに何個の花粉があるかで示す。
落下法によるスギ花粉測定では、10~20個/cm2で明らかな症状が現れ、50個/cm2で症状の強さと花粉数が一致する。
問診、鼻鏡検査、鼻汁好酸球検査、皮膚テスト、誘発テスト、血清IgE抗体の定量で診断する。
問診では、3主徴、発作季節、発症年齢、合併症、発作の原因が特に重要である。
鼻粘膜は腫帳し、花粉症では、発赤し、浮腫状で、HDアルルギーでは、蒼白である。
鼻汁好酸球増多は、鼻アレルギーの約90%に陽性である。
%で算出する場合は、なし(-)、5~10%(+)、10~20%(2+)、20~50%(3+)、50~100%(4+)
皮膚テストは、原因抗原のスクリニング検査である。
問診により検査抗原を選択する。
血清IgE抗体の定量は、抗原の検索に有用であるが、感度は皮内テストに劣る。
血清IgEは、約1/3の通年性鼻アレルギー患者に正常である。スギ花粉症では、大部分が正常値である。
皮膚テストでスクリーニングされた抗原を確定するための検査法で、鼻粘膜抗原を接触させたアレルギー症状が起こるか否かを観察する。
抗原を含ませた誘発用デイスクを両側下鼻甲介前部にのせ、5分間観察する。
くしゃみは数で、鼻汁、鼻粘膜腫帳は鼻鏡検査で判定する。
治療は、抗原除去・回避、薬物療法、免疫療法
治療は、ケミカルメデイエター受容体拮抗薬、ケミカルメデイエーター遊離抑制薬、局所ステロイドが三つの柱となる。
90年の歴史がある。作用機序は注射抗原エキスに対するIgE抗体の産生抑制、局所浸潤リンパ球亜分画の変化や遮断抗体の産生亢進などの免疫学的機序が考えられる。
数年の継続的通院が必要である事の欠点が普及をはばんでいる。
アレルギー性鼻炎治療薬では得られにくい長期寛解を得ることが可能である。
①アレルギー性鼻炎の治療法である。 ②治療には専門的なトレーニングが必要である。 ③標準化抗原を使用する事が望ましい。 ④抗原量をし、5~20μgの主要アレルゲン含有の維持量を目指す。 ⑤治療期間は3年から5年が良いとされている。